ちょこっと妖精学 憑依

憑依とは霊的な某かが、人に取り憑いて言動に変化が生じたりすることを言います。
日本では狐霊や狗神が有名ですが、妖精にもそういう事があるのでしょうか。
妖精憑きというのは民話などではあまり見かけません。
なぜなら、そういう場合は「取り替え子」としてそもそもすべてが入れ替わっているのです。ただし、欧州に悪魔憑きという概念があり、取り替えられた人を妖精から取り返す場合、多くは悪魔払いと同じ事をしたようです。

Warwick Goble

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ちょこっと妖精学 妖し火

狐が出す狐火というものがあります。
口からフヨフヨと吹き出す吐息が光る等、色々ありますが、妖精もまた時に妖しい光を出すことがあります。有名なのがウイル・オー・ウイスプ。
性悪な鍛冶屋の霊が持つ地獄の残り火とされています。彼はジャックランタンなどの派生系があるとても有名な妖精の仲間です。
他にも燐光を発する妖精たちはよくいますが、その殆どが、彼らが持っている小さなランタンの明かりとして表現されています。
そんな妖し火は時に、道に迷った旅人の前に現れてまるで「ついておいで」と言わんばかりにユラユラと揺れ導くのですが、もちろんその先は正しい道筋などではなく、沼や沢。
哀れな旅人は溺れてしまうと言う結末です。
今では、湿地などに発生したメタンが自然発火して……と言われていますが、果たして。

Margaret Tarrant

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ちょこっと妖精学 跡

日本にもダイダラボッチが腰掛けた山とか、その足跡が湖になったという逸話は多いですね。同じように、妖精譚にもそう言った「由来譚」は多く伝わっています。
例えば、アイルランド南西部を治めていた湖の妖精王が、魔王と会合を開きました。
しかし物別れに終わり、妖精王は船で湖に帰る事になりました。
腹を立てた魔王は大きな石を投げつけたのですが、石は逸れて対岸に。
その時できた大きな穴は今でも残っていて「悪魔のくぼみ」と呼ばれているそうです。
アイルランド南西部ケリー県に伝わるお話です。

Stephen Reid

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ちょこっと妖精学 運

彼らは運を左右します。
それはとりもなおさず彼らが運の運び手として作用するからです。
しかし、彼らにはある意味で、ヒトの理屈は通用しません。
彼らの立場からみた幸運を一方的に贈ってくるのです。
その結果が、どうなるかは、誰も分かりません。
ミダス王になるのか、それともわらしべ長者になるのか。
もしも、そういう場面に出会したとしたら、願うのは「今まで通りで」というのが良いそうです。さてはてふむー

Warwick Goble

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ちょこっと妖精学 彼らの子供

天女と結婚して子をもうける。日本各地に見られる民話です。
同じような、異類婚姻譚はもちろんヨーロッパにも沢山あります。
最も多いのが人魚でしょうか。
彼女たちの血を引く子供は指の間に水かきがあるとか、耳たぶがなかったり、尖っていたりと身体的特徴を備えています。
また母から「必ず豊漁に恵まれる」「呪いの解き方が分かる」「薬草の知識」などを授けられていると言います。
ですがそういった母の愛が、別の方向に現れる事も。

「あなたたちは、人でも人魚でもない。きっと辛い目に遭うこともあるでしょう」
そう言って人魚の母は子供たちを石に変えて砕いてしまいました。

John Collier

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ちょこっと妖精学 天体

星々についての民話、伝承は世界各地に散らばっています。
ですが、アイルランドの妖精譚に限って言えば、それほど多くはないようです。
彼らの生活に暦が関わっていること、彼らの源流であるいにしえの神々や、そのモデルとなった先住民族たちは、確かに天体の知識が豊富だったようですが、それは星座というよりも太陽と月に関わる事が主だったようです。
正午と満月。これらは日月の力が最も強まることもあり、妖精たちの姿が良く見られると言われています。
とりわけ正午の太陽の光で目が眩みそうなとき、彼らの姿が見えるとか。果たして。

Margaret Tarrant

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ちょこっと妖精学 落とし物

妖精たちがなにかを忘れてゆく、ということは時々あるようです。
ある民話では、彼らが踊っていたところに出会した男がいました。
もちろん妖精たちは掻き消えてしまったのですが、そこには小さな金の指輪が。
男はきっと彼らの物だと思い、それから妖精を探す様になりました。
やっとの事で彼らと行き会えた彼に、指輪の持ち主は喜んで
「なにか1つ願いを叶えてやろう」と持ちかけます。
男が考えて出した答えは「あなたたちが踊っていたあの曲を教えて欲しい」
それこそが今でもアイルランドで演奏されている「The Gold Ring」という曲なのです。

Elsa Beskow

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資料と現地

こんな事を言える立場ではないし、ただの語り手であることを承知で書くのですが。
例えば、本で纏められた資料や物語で「Aという妖精は『1』である」とあったとします。
けれど現地に行くと「Aは2」であったり、そもそも「Aは存在していないかBである」という場合がままあります。
こういう時、僕は例え資料が通説となっていても、現地の方たちの言葉を信じます。
誤解されそうですが、標本より生きている方が大事なんですね。
もちろんそれは資料を大事にした上でのお話なのは言うまでもありませんが。

そんな僕が、琵琶語りのコタロウさんと共演します。
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ちょこっと妖精学 妖精郷探訪

妖精たちの国。妖精郷を訪れた人たちの話はたくさん伝わっています。
それらは瞑想の中で、心の中で、というものではなく、事実として、物理的に訪れる話なのです。
こは見たことのない豪華な屋敷があり、味わったことのない美酒佳肴が用意されています。
もちろんそれらには、「現世に戻りたければ」手を付けても食べてもいけません。
その辺りは、伊弉冉と伊弉諾の黄泉比良坂でのやりとり
「もう私は黄泉の国のものを食べてしまったので戻れません」
というのにとても良く似ています。
さて、異界の食べ物はどんな味がするのでしょうか。
ペルセポネは、ザクロを食べてしまったのでしたっけ。

Dante Gabriel Rossetti

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ちょこっと妖精学 湖底

妖精郷の場所。それに当たるのは妖精砦の中、妖精塚の下(といってもそれは物理的に中ではなく、そこから通じる異界なのですが)ですが、次いで多いのは波の底、湖の水面の下です。
良くあるのは、漁師が舟を漕ぎ出し沖に出ると、急に凪いで水面が穏やかになる。
はて? と覗き込むと、湖底がまるで地上のように見える。
水草は牧草に、魚は空を飛ぶ鳥に。
そういう時に限って、妖精たち(もしくは今は妖精になった人たち)の住む町や城が見えるそうです。

Harold Gaze

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