妖精夜話 豊穣の神としての側面

色々と、あれやこれやと妖精譚に触れていると、本当に彼らのある種の奔放さに驚かされることがあります。
例えば妖精王はほぼ例外なく性に奔放で、気まぐれに乙女を口説き、時に攫います。
妖精女王もまた同じで、見目麗しい騎士や、素晴らしい詩人を恋人として迎えます。
この辺りは、本当に彼らが鉄器時代よりも、キリスト教よりも古い神格を素にした存在だからなぁと思います。僕らの生きている時代とは、価値観が違うんですね。
なにより、彼らは元々が土地神であったり、大地や河川、森の豊かさを体現した存在なので、やはり産めよ増やせよ、この世の豊かさを全身で表現し、また受け取るのです。
そもそも愛の神が貞淑って言うのはなかなか成立しませんし。
→愛の概念がまた違ってきますしね。たぶん家庭円満を願うなら愛の神ではなく、竈の神様とか、それこそ家庭の神(ギリシャ神話のヘラとか?)に祈願するのが良いのではないかなぁと。
話が逸れましたが、彼らの恋愛に対する奔放さや、好きという気持ちを隠さない辺りは、そういった彼らの源流に起因してくるんだろうと思うのです。

Thomas the Rhymer

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ちょこっと妖精学 紫煙

妖精たちが人間の家畜を奪っていくと言うお話はよく伝わっていますし、なにより牧夫にとっては許し難い行為でした。けれど、彼らから牛馬を取り返すのは難しく、基本的に予防策を取られていたようです。5月1日前夜などに篝火を潜らせる、聖水をかけるなどはポピュラーですが、中にはパイプの煙を牛たちの胸の奥まで吸わせるというものがありました。
日本でもタバコの脂が妖怪変化(特に蛇精の類)に嫌われているように、妖精たちはタバコの煙が苦手だったようです。
とはいえ、中にはレプラコーンやガンコナーのようにタバコを好んで喫む存在もいるのですが。

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ちょこっと妖精学 数字

よく民話や伝承では「3」が神秘的な数字として扱われます。
確かに妖精たちの原型になった太古の神々、とりわけ女神たちは三幅対で現れると言います。他にも、3度目の約束は決して破ってはいけないといいますし、2度目は偶然でも3度目は縁が結ばれると、鈴木清順監督も名画「ツィゴイネルワイゼン」でも言っています。
では、3だけがそういう数字なのでしょうか。
意外と「7」そうだと言われています。
7番目の子供には妖精を視る力や癒しの力があるとされます。
変わったところでは7歳になると、その子の才能や影の部分も明らかになるとか。

Cicely Mary Barker

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ちょこっと妖精学 妖精木

妖精たちが好む木と言えばサンザシ、トネリコ、そしてナナカマドとされています。
もちろんこれらすべての木が妖精のお気に入りというわけではなく、特定の場所などに生えているものがそうだと言われているのです。
わかりやすいところで言えば、妖精砦の中に生えているもの。そして妖精塚の斜面に生えているもの。これらは確実に妖精たちのお気に入りであり、時には彼らの住処となっています。ですから昔から手を出さない方が良いとされているのです。
変わったところでは、アイルランドなどに無数に点在する聖なる泉「ホーリーウェル」。これらはキリスト教の聖人結びつけられていますが、その歴史は更に古く太古の神々と結びつけられます。そんな泉にもたれ掛かるようにして生えている木がそうだとされています。

Ida Rentoul Outhwaite

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ちょこっと妖精学 妖精と死者の色

死者と妖精は切っても切れない縁があります。
例えば死後の世界そのものが妖精郷であるというお話もあれば、妖精の国に死者がいるという逆のお話も。
そういった死後の世界、異界、妖精郷というがいんがあるからでしょうか、アイルランドでは死後、そちらで仲間はずれにならないように亡骸にパイプを握らせたといいます。
確かにパイプや煙草、喫煙の習慣は、時代的にも大事なコミュニケーションツールでしたものね。

Cigar Postcards

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ちょこっと妖精学 結婚式

妖精たちのお葬式があるなら、結婚式も有るのは当然のことです。
民話では、彼らの結婚式の為に城の広間を貸した城主というお話も残されています。
彼らは大変礼儀正しく申し込みをして「あなた以外覗かないでください」と約束をしたのですが、式当夜。素晴らしい結婚式は、城主の奥方が覗いたことで中断されました。
妖精たちは怒りはしなかったものの、あなたの家系は7人目がそのなを名乗ることは無いだろうと予言していったのです。その言葉通り、以後城主の家系は、6人目までは健やかに育つも、7人目が生まれると、それまで末の子だったものは死ぬようになったそうです。

E. Stuart Hardy for “The Book of Gnomes”

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ちょこっと妖精学 塚の扉

妖精丘や妖精砦。
アイルランドに点在するいわゆる先史時代の遺跡ですが、これらの内部が妖精郷に繋がっているというのは民話や伝承での定番です。
ただ、適当に塚に入ったり、砦に侵入しても彼らの世界に辿り着ける訳では無く、ハロウィンや5月1日前夜などの特定の日。もしくは某かの鍵が必要だったりします。
面白いところでは、山羊や羊、牛などの家畜が砦に入っていくので追いかけていたら辿り着いたというもの。
彼らに魅入られた家畜は帰ってこなかったり、また乳の出が悪くなったりすると言われていましたから、家畜がそういった所に出入りするのは良くないとされていました。
アイルランドのスライゴには、そうやって追いかけた結果、妖精の道を通り、隣の県にいってしまったという少女の話が伝わっています。
妖精郷とは、行こうと思って辿り着ける場所では無いと言うことでしょうね。

Richard (Dickie) Doyle

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ちょこっと妖精学 通り道

彼らの通り道に家を建ててはならないとは、様々な地方で伝えられ、また信じられていることです。日本の鬼門や、スピリチュアルでいう所の霊道などと同じように、避けた方が良いとされています。
とは言え、そうも行かないこともあるのもまた事実で、そういう時の対処法としては、表のドアと裏口のドアを一直線にして、彼らの出入りを邪魔しないようにするそうです。
これで、彼らの進む道を邪魔しないようにするという訳です。
似たようなことに、妖精だとされることもある死者の魂が、亡骸から抜けた後、再び舞い戻ってこないように、(魂が天国に行くのを邪魔しないように)一度開けた扉や窓全てを占めきるということもされていたようです。

John Anster Fitzgerald

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7月29日高円寺 ぽれやぁれ

暑いですねー。というか、暑いというか本当に生命の危機を感じるような日射しですが、皆さんいかがお過ごしですか?
そんな暑っい中、高円寺はぽれやぁれさんフルート奏者・矢島絵里子さん歌手&ハープ弾きの蒼咲雫さんと『陽炎の旋律、夏草の物語』を開催しました。

このトリオでの登壇は何回目でしょうねぇ。もう馴染みまくった良い雰囲気です。
当日は日本晴れというか、暑くて岩が砕けて水が噴き出すんじゃないかって思う程。
即興が得意な二人に、語り部のトリオです。なにが飛び出すか分からないびっくり箱!
これからも楽しみです。
☆次は秋頃を予定しています

演目
Last rose of summer
サマーダスク(矢島絵里子オリジナル)
風車(蒼咲雫オリジナル)
Song of the Kelpie
黒苺のお話(イギリス伝承)……etc


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ちょこっと妖精学 葬列

妖精王が死者の王である、ということはアイルランドをはじめとする西欧の民話ではしばしば語られる事です。
それは地中に楽土を持つ彼らの王が、冥界の王プルートと結びつけられたからとも、そもそも彼らが神代の墓に出没するからだとも。
どちらにしろ、死は時々擬人化されて、人々の目に触れます。
例えば葬列の形を取り、空を行くとも。
また妖精王に率いられた『空の馬車』として夜道に現れたり。
もちろん、それらに出会うことは紛うこと無き不運で、巻き込まれたり、攫われることもしばしば。それは彼らの世界に連れて行かれるということなのですが、同時に「こちら側での死」を意味します。怖や怖や

John Anster Fitzgerald

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