ちょこっと妖精学 結婚式

妖精たちのお葬式があるなら、結婚式も有るのは当然のことです。
民話では、彼らの結婚式の為に城の広間を貸した城主というお話も残されています。
彼らは大変礼儀正しく申し込みをして「あなた以外覗かないでください」と約束をしたのですが、式当夜。素晴らしい結婚式は、城主の奥方が覗いたことで中断されました。
妖精たちは怒りはしなかったものの、あなたの家系は7人目がそのなを名乗ることは無いだろうと予言していったのです。その言葉通り、以後城主の家系は、6人目までは健やかに育つも、7人目が生まれると、それまで末の子だったものは死ぬようになったそうです。

E. Stuart Hardy for “The Book of Gnomes”

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ちょこっと妖精学 塚の扉

妖精丘や妖精砦。
アイルランドに点在するいわゆる先史時代の遺跡ですが、これらの内部が妖精郷に繋がっているというのは民話や伝承での定番です。
ただ、適当に塚に入ったり、砦に侵入しても彼らの世界に辿り着ける訳では無く、ハロウィンや5月1日前夜などの特定の日。もしくは某かの鍵が必要だったりします。
面白いところでは、山羊や羊、牛などの家畜が砦に入っていくので追いかけていたら辿り着いたというもの。
彼らに魅入られた家畜は帰ってこなかったり、また乳の出が悪くなったりすると言われていましたから、家畜がそういった所に出入りするのは良くないとされていました。
アイルランドのスライゴには、そうやって追いかけた結果、妖精の道を通り、隣の県にいってしまったという少女の話が伝わっています。
妖精郷とは、行こうと思って辿り着ける場所では無いと言うことでしょうね。

Richard (Dickie) Doyle

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ちょこっと妖精学 通り道

彼らの通り道に家を建ててはならないとは、様々な地方で伝えられ、また信じられていることです。日本の鬼門や、スピリチュアルでいう所の霊道などと同じように、避けた方が良いとされています。
とは言え、そうも行かないこともあるのもまた事実で、そういう時の対処法としては、表のドアと裏口のドアを一直線にして、彼らの出入りを邪魔しないようにするそうです。
これで、彼らの進む道を邪魔しないようにするという訳です。
似たようなことに、妖精だとされることもある死者の魂が、亡骸から抜けた後、再び舞い戻ってこないように、(魂が天国に行くのを邪魔しないように)一度開けた扉や窓全てを占めきるということもされていたようです。

John Anster Fitzgerald

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7月29日高円寺 ぽれやぁれ

暑いですねー。というか、暑いというか本当に生命の危機を感じるような日射しですが、皆さんいかがお過ごしですか?
そんな暑っい中、高円寺はぽれやぁれさんフルート奏者・矢島絵里子さん歌手&ハープ弾きの蒼咲雫さんと『陽炎の旋律、夏草の物語』を開催しました。

このトリオでの登壇は何回目でしょうねぇ。もう馴染みまくった良い雰囲気です。
当日は日本晴れというか、暑くて岩が砕けて水が噴き出すんじゃないかって思う程。
即興が得意な二人に、語り部のトリオです。なにが飛び出すか分からないびっくり箱!
これからも楽しみです。
☆次は秋頃を予定しています

演目
Last rose of summer
サマーダスク(矢島絵里子オリジナル)
風車(蒼咲雫オリジナル)
Song of the Kelpie
黒苺のお話(イギリス伝承)……etc


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ちょこっと妖精学 葬列

妖精王が死者の王である、ということはアイルランドをはじめとする西欧の民話ではしばしば語られる事です。
それは地中に楽土を持つ彼らの王が、冥界の王プルートと結びつけられたからとも、そもそも彼らが神代の墓に出没するからだとも。
どちらにしろ、死は時々擬人化されて、人々の目に触れます。
例えば葬列の形を取り、空を行くとも。
また妖精王に率いられた『空の馬車』として夜道に現れたり。
もちろん、それらに出会うことは紛うこと無き不運で、巻き込まれたり、攫われることもしばしば。それは彼らの世界に連れて行かれるということなのですが、同時に「こちら側での死」を意味します。怖や怖や

John Anster Fitzgerald

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ちょこっと妖精学 石臼

海が塩辛いのは、海底に塩を吐き出す石臼があるというお話が、日本にはあります。それがどんどん塩を吐き出すので、本当は真水だった海は塩辛くなったといいます。
似たようなお話がアイルランドにもあります。
こちらは妖精が与えてくれた、食べ物を好きなだけ出してくれる石臼と言うことになっています。そしてけちん坊なお婆さんが……という流れ。
また大変重いはずの石臼に乗って海を越えたなんていうお話もありますから、とんでもない石臼ですね。
それだけ石臼が生活に欠かせなかったものだし、貴重だったのでしょう。

Virginia Frances Sterrett

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ちょこっと妖精学 人魚と水夫

人魚たちほど水夫たちに恐れられ、また魅力的に映った妖精はいないでしょう。
彼女らは歌声で潮流を操り、また水夫たちを海の底に引き摺り込みました。
けれど逆に、彼女たちは、水夫に攫われ妻となったと言う話も多く伝わっています。
しかしそれはあくまでも人魚たちの宝物であり、魔力の源とされるショールや帽子、そして鏡や櫛、王冠を取られたせいなのです。
日本に伝わる天人女房物語よろしく、それらを見つけた彼女らはすぐさま海に帰ってしまいます。
では、数少ない例外はというと、7年丘で暮らした後、残りは夫と一緒に海に帰ったとか、逆に笛吹と一緒に海に入り、笛吹は海王の息子となったと言うもの。
なかなか珍しい例ですが、ひとつのハッピーエンドなのかもしれません。
もし海から素晴らしい笛の音がしたなら、それは海王の娘と結婚した笛吹のものだと、お話は結ばれています。

Warwick Goble

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ちょこっと妖精学 人魚と赤髪

昨日の取り替え子の話に繋がるのですが、妖精たちは金髪が好きと言う話があります。美しいブロンドの子供を選んで拐うとつうのです。うーん、日本人で良かった?
それとは違って彼ら自身は赤髪であることが多いようです。
赤い髪の妖精として有名なのは人魚です。
アイルランドの人魚メロウは、銀の鱗に赤い髪の毛と描写されることも多いですね。
赤い髪の毛には様々な逸話があり、魔力を秘めていると言われています。
また赤い髪の毛の持ち主はご先祖様からの助力があるなんてお話も。
ただ、それと同時に、不幸の象徴ともされ、赤い髪の女性を船に乗せてはいけないなんてことも伝わっています。
もちろん、この辺りは迷信なのですが、赤という色が生命の象徴であったり、赤い髪の蹴りの持ち主は色素が薄い傾向があり、その為ひ弱に見えるからだなど、今では様々な考察がなされています。
どちらにしろ、昔から長い髪は魔力や呪力を蓄えていると言いますよね。さてはて。

Waterhouse, John William; A Mermaid

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ちょこっと妖精学 取り替え子

妖精たちの悪戯で、そりゃ悪戯じゃねーよというもののなかに、取り替え子(チェンジリング)というものがあります。人間のかわいい赤ん坊を連れ去り、代わりに妖精の子供を置いて行くという彼ら独特の行いのひとつです。置いていかれる妖精の子というのは、決してかわいくも、素直でもなくて、まぁ一種の小鬼なわけです。
こうなっては普通の人?にはどうしようもなくて、フェアリードクターの出番とあいなるわけで、そういうモチーフの民話はアイルランドをはじめとしてたくさん残されています。
レンタルマギカ妖精王の月伯爵と妖精などではチェンジリングが魅力的に描かれていますが、まぁ実際は事故というか事件なのです。この辺の史実にもあった大事件はまたいつか)

さて、たくさん民話が残されているということは、それだけ取り換え子の対抗策も多く残されているわけでして。
一番簡単なのが、赤ん坊が寝ている揺籠に蹄鉄を忍ばせておくこと。
これは彼らが鉄を嫌うという性質を利用したものですし、なにより馬が幸運の運び手として信じられていたことによるようです。
いまでもホースシューを模したペンダントは様々なブランドからも出ていますし、なにより玄関のノックは蹄鉄型ですよね。あれも邪妖精避けでもあるのです。

Frank Dicksee / La Belle Dame sans Merci

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初めてみました。

色々とあったというかなんというか、Twitterの凍結祭りに巻き込まれたりして、こりゃいかんなぁということでウェブを始めました。よろしくお願いします。

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