彼らを感じるとき

なんて書き方をすると「本当に視えてるんですね!」と訊かれそうですが、そういうことではなく(否定も肯定もしないスタンス。神秘は神秘、謎は謎のままで♪)、先だって本棚を整理する機会があり、アレヤコレヤを手放したり、入れ替えたりして、なんとか心地の良い本棚にしたのですが、まー収まっている本がすべて「妖精学」「物語」「伝承、民話」なんですね。いわゆる小説とか実用書は皆無。
よくよく本棚は、その人を表すなんて言いますが、まさに「経済活動に興味ない人」「社会的な某かには不向き」と言わんばかりだなぁと我ながらアハハハと笑ってしまいました。
とはいえです。僕は妖精譚の語り部で、なによりフェアリードクターなわけでして、そういう生業の本棚であればこれで良いのかなぁと改めて、自分を省みたりも。
花を見れば、その傍らでせっせと世話をする小妖精が。
水のせせらぎは水霊の歌声に。
木漏れ日は、樹の乙女の誘いに、赤い鳥居の奥には白い狐さんが跳ねていたり……ん?
正直、のべつまくなし四六時中彼らが傍らにいる訳ですね。
もし僕がどうすれば妖精が視られますか? と訊ねられたなら、
「彼ら(物語)の世界から降りないことです」とこたえるでしょうね。

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ちょこっと妖精学 靴屋妖精の金貨

靴屋妖精レプラコーンと言えば、アイルランドのマスコット的存在です。
お土産物屋さんに行けば、必ずと言って良いほど、彼らをデザインしたTシャツやキーホルダー、中にはトランクスなんてのもあります。
妖精の靴屋として有名な彼らは、稼いだ金貨を7つの壺に入れてアイルランドのどこかに埋めていると言います。それはタンポポやサワギク(ノボロギク)の根本に埋まっているとされていて、虹の橋の根本にというのは、ごく最近言われてることのようです。
本当に、タンポポなどの根本に金貨があるかどうかは分かりませんが、ボッグと呼ばれる湿地から黄金製の宝物などが見つかることは良くあったそうです。
それらは妖精の原型とされた先住民族たちの遺産なのです。

The Elves and the Shoemaker

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中世ルネサンス ブックカフェ Tür さんで

申し込みが始まった愛知県高山市中世ルネサンス ブックカフェ Tür さんでのお話会。
申し込み開始から1時間で半数のお席が埋まるという好評振りだそうで、本当に有り難い限りです。
思えば愛知での開催は5年ぶり? 久しぶりだなぁ。
もともと愛知や名古屋は何となく惹かれる土地で、なんなら住んでみたいなぁとも思っていたので本当にワクワクしています。
さてどんなお話を語ろうかなぁ。オーナーさんが北欧神話が大好きな方というのでそっち方面も少し……なんて考えたりしています。
あと、Tür さん、お菓子が大変美味だとか。これは甘党の僕としては期待しちゃいます。
どうぞよろしくお願いします。
お申し込みお問合せはこちらから。

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ちょこっと妖精学 居を移す

ハロウィンや立夏前夜など。様々な民話や伝承で、妖精たちは遊行するといいます。
それは妖精王への謁見であったり、単に夜遊び?だったりするようですが、中には居を変えるという話も。
彼らは基本は妖精塚や砦の中に住んでいますが、前述のような特定の日、つまり古の祝祭日には居を変えるというのです。それは別の妖精砦であったり、全く違うところであったり。
そんな彼らの遊行の途中に出会ってしまったら……お約束ですね。
また、引っ越す理由も、そういう決まり事の他に、隣人(人間)が煩いから、汚水を垂れ流すからといった環境が理由の時もあるようですが、そういう場合はキッチリと呪ったりしてからいなくなるようです。

Arthur Rackham

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ちょこっと妖精学 寿命

妖精に寿命はあるのか。
これは多くの妖精学者、神秘家の議題に挙がってきたトピックスです。
実際の所は分かりませんし、決めてしまうのはナンセンスだなぁと語り部としては思うのですが、一応伝えられている中ではおよそ300年(幽霊ベースの妖精)とか、この世が終わるまで(古の神ベース)等と言われています。どうなんでしょうね。
ただ1つ確かなのは、彼らの事を誰もが忘れてしまったら、それはそれで終わりなんだろうなぁと言うこと。
妖精譚の住人である彼らは、誰かに語られ、誰かに伝えられして初めて息づくんじゃないかなぁと語り部としては思うのです。

Warwick Goble

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ちょこっと妖精学 移動

彼らは風に乗って移動するというお話があります。それはつむじ風として私達に認識され、巻き込まれるとオズの魔法使いのドロシーのようにとんでもないところに連れ去られたりします。
他にも彼らだけが通れる道があり、とんでもなく遠いところにも一瞬で行けたりすると言われています。その出入口が妖精砦や塚であるというお話もあり、実際にそれを通って隣のカウンティまで行ってしまったという民話も多く残されています。
ですが、彼らが一番好むのは馬に乗ること。
素晴らしい妖精馬を何頭も飼っていて、それに乗り、遊行するのです。
もちろん、本物?の馬だけではなく、灯心草や鋤、鍬に魔法をかけて馬にすることもあります。

Europa 1997 – Tales and Legends

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写真

アイルランドには2009年からコロナ禍を除いてほぼ毎年通っていますが、その内の2回ほどはいわゆる長期滞在でした。1年と7ヶ月だったかな。
どちらも学校に通いながらの滞在で、出席日数とか計算しながらフィールドワークに勤しんでいた訳です。
その時、通ってた学校の、いわゆるサロン(というかソファとかがある休憩部屋)からの眺めがとても綺麗で、休み時間になると1日1枚。ゆるい定点観測として撮影した写真が80枚ほどあります。
土日とか、地方に出掛けている時はもちろん撮れないので、そのくらいの枚数になるのですが、初夏からクリスマスにかけての写真はとても綺麗で懐かしいものです。
アプリでスライドショーを作ってみたりしたんですが、なんとも素敵なんですが……何せサロンの窓。色んな人が映り込んでて、SNSとかにアップ出来るわけもなく。
僕だけのお楽しみとなりました。

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ちょこっと妖精学 味

時折、ニューエイジ哲学などでは妖精(フェアリー)は甘い物が好きだという記述が見られます。確かに童話などではお菓子などを頬張るシーンが出て来ますし、小さくて愛らしいティンカーベルタイプには、そういった食べ物が似合います。
ですが、伝統的な民話や伝承などでは、そういう記述はあまりなく、彼らが好むものとしては、バターやミルク、そして乳清など。他にも焼きたてのパンなども好んで失敬するとされています。
珍しい所では牛骨なども好きなようで、ある主婦が鍋を彼らに貸す度に、いっぱいの牛骨をお礼に貰ったそうです。

Ida Rentoul Outhwaite

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ちょこっと妖精学 夢

夢で様々なお告げがあった。
というのは、日本でもお馴染みのお話のモティーフです。
もちろんアイルランドでも多くの夢にまつわる事柄が伝えられていて、夢で恋人とキスをするのは、相手になにか隠し事があるからだとか。
不思議なところでは、霊柩車の夢は婚期が近い印だといった風変わりな物も。

ある旅人が同行の友人と別れたあと野宿をしていると、夢でその友人が霊(邪妖精)に襲われている場面を見ます。驚いて飛び起きた彼は、胸騒ぎを覚え、別れた所に戻り友人の辿った道をゆくと、なんと夢の通りに友人が邪妖精に襲われていました。
彼はハシバミ(!)の杖でそれを撃退し事なきを得た、というお話が伝えられています。

Frederick Howard Michael

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ちょこっと妖精学 金と銀

昔から銀には魔を祓う力があるとされ、狼男には銀の弾丸とか魔物を傷つけられるのは銀の某、というお話があります。
さて妖精たちはどうでしょうか。
少なくとも彼らが銀を好んだという話も、嫌うという話も見つかりません。
ただ好んだのは金のようで、妖精砦や、彼らが現れるとされるサンザシの根本から金の某が見つかるという話は多く伝わっています。
これは銀が月と関連づけられるように、金が太陽の力を保持している、すなわち豊穣神としての彼らに相応しいという見方も出来ますし、そもそも彼らの現像である先史民が金を重用したというところにも関連があるようです。

Helen Jacobs

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