ちょこっと妖精学 移動

彼らは風に乗って移動するというお話があります。それはつむじ風として私達に認識され、巻き込まれるとオズの魔法使いのドロシーのようにとんでもないところに連れ去られたりします。
他にも彼らだけが通れる道があり、とんでもなく遠いところにも一瞬で行けたりすると言われています。その出入口が妖精砦や塚であるというお話もあり、実際にそれを通って隣のカウンティまで行ってしまったという民話も多く残されています。
ですが、彼らが一番好むのは馬に乗ること。
素晴らしい妖精馬を何頭も飼っていて、それに乗り、遊行するのです。
もちろん、本物?の馬だけではなく、灯心草や鋤、鍬に魔法をかけて馬にすることもあります。

Europa 1997 – Tales and Legends

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写真

アイルランドには2009年からコロナ禍を除いてほぼ毎年通っていますが、その内の2回ほどはいわゆる長期滞在でした。1年と7ヶ月だったかな。
どちらも学校に通いながらの滞在で、出席日数とか計算しながらフィールドワークに勤しんでいた訳です。
その時、通ってた学校の、いわゆるサロン(というかソファとかがある休憩部屋)からの眺めがとても綺麗で、休み時間になると1日1枚。ゆるい定点観測として撮影した写真が80枚ほどあります。
土日とか、地方に出掛けている時はもちろん撮れないので、そのくらいの枚数になるのですが、初夏からクリスマスにかけての写真はとても綺麗で懐かしいものです。
アプリでスライドショーを作ってみたりしたんですが、なんとも素敵なんですが……何せサロンの窓。色んな人が映り込んでて、SNSとかにアップ出来るわけもなく。
僕だけのお楽しみとなりました。

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ちょこっと妖精学 味

時折、ニューエイジ哲学などでは妖精(フェアリー)は甘い物が好きだという記述が見られます。確かに童話などではお菓子などを頬張るシーンが出て来ますし、小さくて愛らしいティンカーベルタイプには、そういった食べ物が似合います。
ですが、伝統的な民話や伝承などでは、そういう記述はあまりなく、彼らが好むものとしては、バターやミルク、そして乳清など。他にも焼きたてのパンなども好んで失敬するとされています。
珍しい所では牛骨なども好きなようで、ある主婦が鍋を彼らに貸す度に、いっぱいの牛骨をお礼に貰ったそうです。

Ida Rentoul Outhwaite

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ちょこっと妖精学 夢

夢で様々なお告げがあった。
というのは、日本でもお馴染みのお話のモティーフです。
もちろんアイルランドでも多くの夢にまつわる事柄が伝えられていて、夢で恋人とキスをするのは、相手になにか隠し事があるからだとか。
不思議なところでは、霊柩車の夢は婚期が近い印だといった風変わりな物も。

ある旅人が同行の友人と別れたあと野宿をしていると、夢でその友人が霊(邪妖精)に襲われている場面を見ます。驚いて飛び起きた彼は、胸騒ぎを覚え、別れた所に戻り友人の辿った道をゆくと、なんと夢の通りに友人が邪妖精に襲われていました。
彼はハシバミ(!)の杖でそれを撃退し事なきを得た、というお話が伝えられています。

Frederick Howard Michael

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ちょこっと妖精学 金と銀

昔から銀には魔を祓う力があるとされ、狼男には銀の弾丸とか魔物を傷つけられるのは銀の某、というお話があります。
さて妖精たちはどうでしょうか。
少なくとも彼らが銀を好んだという話も、嫌うという話も見つかりません。
ただ好んだのは金のようで、妖精砦や、彼らが現れるとされるサンザシの根本から金の某が見つかるという話は多く伝わっています。
これは銀が月と関連づけられるように、金が太陽の力を保持している、すなわち豊穣神としての彼らに相応しいという見方も出来ますし、そもそも彼らの現像である先史民が金を重用したというところにも関連があるようです。

Helen Jacobs

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ちょこっと妖精学 治癒

妖精たちや、ひいては彼らの根源である古の神々たち。
彼らは当然のように魔法を使います。
その祝福に預かれたとしたらそれはまさしく幸福なことでしょう。
中でももっとも望まれたのは「治癒」だと思います。
森の泉に宿る女神や森の王と思える古木。
そして妖精砦の傍らに佇む妖精木。
これらには病気平癒や壮健、時に安産などの願いが託されました。
古の時代は生け贄などが捧げられましたが、今ではコインや指輪などを捧げたり、木の枝にリボンを結びつけたりなどしています。→リボンが解ければ結願。

John William Waterhouse

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ちょこっと妖精学 千里眼

妖精たちは居ながらにして遠くのことを見聞きできるようです。
それは千里眼といっても良いほどですし、中にはテレパシー、読心術の類いのように心の中を見透かすようなことも。
けれど、そうは言っても欺されてしまうこともあります。
例えば或る民話で、妖精たちに居座られて困り果てた農家の主婦が、フェアリードクターの力を借りて難を逃れるのですが、その時、彼女は、戸口で「妖精砦が火事だ!」と叫ぶのです。
驚いた妖精たちは家を飛び出て帰るのですが……
もちろん、これはそのお話では、ということですが、時には妖精も人に欺されてしまうようです。

Margaret Winifred Tarrant

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ちょこっと妖精学 お産

妖精たちのお産に産婆さんが駆り出されるというお話はアイルランド周辺ではひとつの典型として語られています。
しかし、そんな定番のお話にも様々なパターンがあります。
まず、お産を控えているのが『妖精の女性』である場合と『人間の女性』である場合です。
そう、妖精の男に攫われてきた女性が産気づいているのです。
妖精界にももちろん産婆さんはいるでしょう。
けれど、人間のお産に立ち会える産婆さんはいなかったのです。たぶん。
人間と妖精はとても似ていますが、そういった生物としての基本の所が違っているのでしょうね。

Herbert James Draper

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#ちょこっと妖精学 好意

妖精たちの好意は混じり気がなく、人のように好きな人の中にも嫌の所を見つけたり、嫌いな人にも好ましいところを発見してしまう、ということはないようです。
もちろんそれも民話や伝承によってまちまちですが。
とはいえ、共通していることは「一方的な好意は拒絶する」ところでしょうか。
一度は偶然で迷い込むことが出来るけれど、意図して二度目は辿り着けない妖精郷と同じように、一方的で、押しつけの好意や気持ちに彼らは拒絶し、下手をすると呪いの投げ矢を射かけてきます。
すこし恐ろしくもありますが、人もそうですよね。好意であれ何であれ押しつけは良くないですね。

Margaret Tarrant

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ちょこっと妖精学 妖精避け

様々な妖精避けがありますが、一番有名なのは「鉄」でしょうか。
意外かと思われますが、妖精の源流のひとつに「青銅器時代の祖霊」というものがあり、彼らがあとからやって来た鉄器を使う人たちに負けたからというのがその理由です。
ついでこれまた意外な出自?として上げられるのが妖精たちは堕天使というもの。
天に帰るほど良くもなく、かといって自国に落ちるほど悪くもない堕天使たちだというのです。ですから、キリストを意味する「パン」と「清めの塩」が嫌うというのです。
パンと塩……オリーブオイルが欲しいところですね。

Harold Gaze

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