妖精譚には、見てくれは恐ろしいけれど、性質は至って温和な彼らが登場することがあります。もちろん、とは言っても悪戯をしでかすことは変わらずですが。
或る地方に妖精と仲良くなった少年がいました。その妖精は青いズボンを履いていたそうです。彼は時々、家中の明かりを灯していたり、夜中に駆け回ったりしましたが、概ね善良で、少年との仲は良かったそう。
しかし、その事は教会の知ることとなり、二人の牧師が「消え失せろ! 悪魔め!」と祓ってしまうと、二度と彼は現れなくなってしまったそう。
さて、これが良かったことなのか、果たして。
Oskar Herrfurth