彼らはどんなものを食べているのでしょうか。
花の蜜や甘い物というイメージがありそうですね。
あるお話では、彼らは一瞬にして遠くまで行けて姿を隠せるので、世界中の美味珍味を味わっているそうです。キプロスの松露や、貴腐ワインなどお手の物だとか。
ですが、ある民話では、彼らの食べ物が美味しそうなのは、見せかけだけで、実際は蚊の目玉や、ヒキガエルの臓物、蜘蛛の集めた蜜なんかを食べているというお話もなります。
ちょっと遠慮したいですね。
別のお話では、妖精バター、魔女のバターと言われているシロキクラゲの仲間を好んで食べている妖精たちもいるようですが、キノコ類が好きというのは確かに似つかわしいですね。
面白いなぁと思うのは、1770年代の料理本の載せられていたという食べられる妖精のバター。実際には彼らのバターは使われていませんが、なかなかに面白そうですね。
話を妖精たちに戻しましょう。どちらにしろ、彼らの食べ物を食べてしまうと妖精の魔法にかかってしまい、彼らの自由にされてしまうというのはお約束ですし、名作「スパイダーウイック家の謎」では、彼らの食べ物を食べてしまうと、妖精の食べ物しか口に出来なくなってしまうというお話が。
では彼らの食べ物すべてが剣呑かというと、そうではなくて、彼らからのお礼として差し出された物に関しては問題無く食べられるというお話も伝わっています。
曰く、妖精の子供がスコップを壊したことで泣いているのを見つけた農夫が、それを直してあげるとお礼にケーキ(のようなパン)をくれたそうです。
農夫の仲間は食べるなと忠告したそうですが、農夫は問題無いだろうと食べたそうです。
それはとても美味しくて、その後、農夫は幸運に恵まれたと伝えられています。