妖精の仕業の中で、よくよく民話に登場するのは「盗み」です。一番多く語られているのが、穀物などを盗み出すというもの。大抵は夜中、穀物倉の鍵穴から侵入し、それはそれは素早い仕事で麦を脱穀して、粉を盗み、あまつさえ道具を散乱させて帰っていくというものです。殆どの場合で、泣きを見るのは農夫のほうなのですが、中には捕まり、そのまま命を落としてしまうという妖精もいます。どちらにとっても死活問題なのですが、なんとも哀しいお話です。
William Heath Robinson