様々な妖精譚の中で、彼らと出会った、つまり遭遇譚ほど異彩と魅力を放っているお話はありません。
泣き妖精バンシーや靴屋妖精レプラコーン。時には死ぬ程の怖い目を合わせる赤男ファージャログなど様々な妖精が登場しますが、中でも目撃例の多いのが変身妖精プーカではないでしょうか。どんな姿をしているのか、果たしてどれが真の姿か分からないほど様々な姿に変化する彼らですが、多くは黒牛や仔ウシほどの黒犬として現れる事が多いようです。
こんな話が有ります。1920年頃、アイルランド西部メイヨー県で、或る若者が、夕刻の帰り道、とんでもなく大きな黒犬に出くわしました。明らかに尋常ではないその姿に恐れをなした彼は、急いで家に戻ったそうです。
その黒妖犬は水路を跨ぐことが出来なかったそう。
彼らの幾つかは、流れる水を渡れないと謂われていますが果たして?
Christmas With Mother Goose