#ちょこっと妖精学
古今東西、妖精などといった人とは違う、時に人以上の美しさや能力を持った存在を伴侶にしたいという願いがあるようです。
よく見られるのは人魚や天女、そして水や木の精霊といった存在。
彼女(時に彼)らは、情に厚く、また豊穣をもたらしてくれる存在ですが、その結婚には様々な誓約が伴います。
多くは見るな、叩くななどで、その類話は多く伝わっています。
あるお話では、水のそこに住む妖精は大変美しかったのですが、ある魔法がかけられていて、伴侶となった男がそれを破ると、湖の底に戻らねばならなかったのです。
それは、妖精の名前を呼んではいけないという大変簡単で、破ってしまいがちなことだったのです。
案の定、はつい妖精の名前を呼んでしまい、彼女は湖に帰ることに。
男の元にはただ彼女との素晴らしい結婚生活の思い出と、それを失った寂しさだけが残ったのでした。