妖精たちを「フェアリー」「エルフ」などと呼んではいけない。「妖精さん」なんてもっての外、というのは妖精学では基本の「き」です。
Margaret Tarrant
この辺りを顕著に読み込んだ有名な詩が「スコットランド民謡集 / ロバートチェインバース」に収められています。
「インプ」か「エルフ」とお呼びなら、
よくよく気をつけて下さいな、
「フェアリー」とわたしをお呼びなら、
いろいろじゃましてあげましょう、
「良いお嬢さん」とお呼びなら、
あなたの良いお嬢さんになりましょう、
だけど「すてきなシーリー」とお呼びなら、
昼も夜も、良い友だちになりましょう。
なんて書かれていますから、よっぽど駄目なんでしょうね。
こういうちょっとした不機嫌には「フェアリーピンチ / 妖精抓り」をされてしまいます。
身に覚えの無い青あざは彼らに抓られた証なんです。
ちなみにシーリーとは「祝福された」という意味だそうです。
きっと妖精呼び、フェアリー呼びというのは、日本人に対して外国の人が「おい、そこの黄色いの!」と呼びかける(ヘタしたらもっとどぎついかも)事に近いのかも知れません。
さて、そんな呼び方で有名なのは、アイルランドの「紳士方(ジェントリー)」「良き人々(グッドピープル)」ですが、上記に出て来たスコットランドでは「おちびさん」とか「おちいさい人」という呼び方もあったそうです。
確実に小妖精の分類される彼らを指して言った言葉ですが、なんとも愛らしいですね。
Margaret Tarrant