妖精信仰という言葉があります。
豊作や豊漁、そして自然の恵みには、精霊や妖精といった某かの霊的な存在が関与している。それに対して捧げ物などをすることで営みが上手く行くよう祈るというものです。
日本の八百万の信仰と似ていますが、いわゆる大きな神社にいって祈願するというよりも、もっと素朴で、鄙びた信仰です。
ある村では、彼らに対する信仰が薄れた為に、凶作が続いてしまったそう。
それに対して昔の習わしについてくわしい老婆たちが、昔の習慣である、彼らに対する祈りを復活させました。お陰で村は最悪の状態を脱しましたが、昔のような活気はついぞ戻らなかったそう。彼らの怒りは解けたけれど前のような加護は無くなった……というイギリス東部に伝わるお話です。
Margaret W. Tarrant