音楽と物語-花と宵闇-つつがなく終了しました

高円寺ぽれやぁれでの矢島さんとの会、つつがなく終了しました〜。
今回も矢島さんが何曲もオリジナル曲を書き下ろしてくれて豪華な会にあいなりました。

今回は、タイトルにもある花ということで、5月を控えていましたし、妖精木サンザシについてのお話をひとつ。
こちらは、アイルランド現地に伝わっている本当にあった妖精譚でした。
いや、やっぱり妖精木や妖精砦においそれと手を出したら駄目だよね、という内容。

長いお話としては、チェコの水霊のお話。
こちらはアイルランドに伝わるメロウ(人魚)の魂の籠と似たお話なのですが、より「生きること」について言及したお話かなーと思います。

そしてもう一つはこれまた長いお話でノロウェイの黒牛。
こちらはウェールズに伝わっている物がとても有名なのですが、もちろんアイルランドにも伝わっていて、そちらをチョイスさせて頂きました。

今年は執筆のお仕事が多くて、ちょっとお話会のペースをダウンさせているのですが、そのせいもあってか、自分の語りのスタイルについて振り返る時間が多く、こういたいなぁ、ああしたいなぁとか、まだまだここが駄目だよなぁと思うこと頻りでした。
それについて、考えていた新しい手法を試せたりしたので良かったなと思います。

お話はいろいろと楽しみ方がありますが、やはり僕としては、まず童心に返った気持ちでお話そのものを楽しんでくれたらなぁと思います。

さて、次は、5月12日(日)の船橋のOnce upon a time cafeさんでの妖精たちの囁き茶話です。こちらは昼夜ともに満席となっていますが、キャンセル待ちがあるようなので、興味のある方は是非。
5月も半ば妖精たちの跋扈する季節ですので、怖い話から素敵なお話までたっぷり語りますよ〜。

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つらつらとSNS

Twitter(現X)、Instagram、そしてBlue SkyとSNSは日常の一部になりました。
けれど、やっぱりそこには栄枯盛衰もあれば、改訂改悪なんてことがあり、なかなか安住とは行かないのも事実。

先だってまで、と言っても数年単位では、Twitterが主力でしたが、やはり経営陣が変わって、方針もそれに倣う形で、随分と仕様が変わります。

んー、ちょっと居心地が悪いぞ?
やっぱり収益が可能になってからかなー。

もちろん、SNSは現実生活より恣意的に自分の周りを形作れるので、どうしても意見が偏りがちだったり、それこそ論調、語気が強くなったりするのもあって、時々疲れてしまいます。

正直、いまそんな気分です。

もともと人と人の直接の繋がりが大事な「語り」を生業としていて、なによりも好きな僕ですから、当然かも? って思ったりもするのですが。

今はSNSはお休みして、リアルの事をして行く時期なんでしょうね。

さて、4月のお話会はこちら

矢島さんとの会は何回目でしょうか。
いつもオリジナルの曲を書き下ろしてくれるんですよ〜。
ふふふ。一緒に春の妖精郷を旅しませんか?

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吟遊詩人と楽士の宴、2days無事終了しました!

旅する歌い人・高野陽子さんと中世ハープ奏者・渋川美香里さんとのトリオ。
はじめては大阪でしたっけ? いやもう、かしまいし? 賑やかとはこの事と言わんばかりの三人で、今回は東京での2daysでした。

こちらの写真は2022年年末のものですから、ほぼ1年ぶりですね。

高野さんの新譜『Morriña – ガリシアの孤愁』に併せた2daysということもあり、今回はガリシアの吟遊詩人たちが歌った恋の歌などを盛り込んでのプログラム。

僕もそれに合わせてアイルランドだけでなく、イタリアなどの妖精譚を語らせて頂きました。

初日は巣鴨のレソノサウンドにて。
はじめての場所でしたが、とーっても素敵なところでした。
オーナーさん曰く、もと病院だったそうで、響きも素晴らしくてついつい皆ではしゃいじゃいました。

ちょっと見難いかもですが、3人の後ろにはニッケルハルパがずらーり。
古楽奏者の方たちがたくさん訪れて、利用するレソノサウンドさんならでは。
こちらではアイリッシュハープやバグパイプのレッスンも行われているそうです。

パンデイレタ(ガリシアのタンバリン)で恋の歌を切々と歌う高野さん。

そして翌日は、日野のClare home and gardenさん。
こちらでも、3人のパワー炸裂で、笑いあり、涙ありの120分と相成りました。
→新喜劇ではないゾ?

珍しくちゃんと楽器の説明を。
10世紀以前の竪琴と、13〜4世紀の竪琴が並ぶ事ってなかなかないですよね。

今回もあっと言う間に過ぎた2days。
今度は、また僕らが大阪行きましょうかね、美香里さん〜。

というわけで、本当に充実した『吟遊詩人と楽士の宴・東京編』でした。

演目
Martin Codax(13世紀中ごろに活躍したガリシアのトロバドール)の歌曲 
Mendinho ハープソロ
Down By The Salley Gardens
Robert ap Huw ハープソロ
アイルランド妖精譚より「聖コンセと妖精王」
イタリア妖精譚より「3人の人魚」 など

さて、次は4月20日、フルート奏者・矢島絵里子さんと、高円寺のぽれやぁれさんにて!
こちらも楽しみです。

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やどりぎの集い、ふたたび。盛況の内に……

18日に群馬県前橋市はyadorigiさんにて、中世ハープの渋川美香里さんと「やどりぎの集い」でした。

yadorigiさんは去年の10月28日にも渋川さんと会を開いたことがありました。
その時も、素敵な設えにしてくださって、とても素敵な時間を共有できたんですよね。
今回もヒヤシンスやラナンキュラスなど、素敵なお花で彩ってくれたんですが……
写真撮り忘れてしまいました〜チクサウ!!

yadorigiさんのInstagramより

今回のお話は、二十四節気雨水を明日に控えていることもあり、

チェコの水霊のお話 ふたつ
フィンマクールのお話 ふたつ

渋川さんの演奏もカンティガスアミーゴの中から海の波が登場するものという水気多めのラインナップ。
春って、水ぬるむってイメージがあって。
ちょうどyadorigiさんの傍には広瀬川が流れていて、良いなぁと思ったんですよね。
あと、僕が水霊好きって言うのもありますけど。

リハーサルの様子ですが、ちょこっとだけ〜。
僕の弾いているサクソンライアーには、妻弾きだけじゃなく、こんな弾き方も出来るんですよね。ピックを使うと良いんですが、忘れてしまってて。あはは💦

また近いうちに、やどりぎの集い、やりたいなぁとしみじみ思う会となりました。

さて、次は渋川さんと、そして高野陽子さんと2daysです!
ただいま絶賛予約受付中ですので、ぜひ〜

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もう二月ですね

ちょっと時間が空いてしまいました。
一月末から二月の頭まで、ちょっとパタパタしてしまってて、更新が遠のいてしまいました。すみません。あああ、筆無精。

でも、ちゃんとお話会やら何やらは開催していたんですよと言い訳を💦

一月二八日に大阪で高野陽子さんと天神橋筋六丁目のTimeBlueさんで
『吟遊詩人と楽士の宴』を開催しました。

こちらは『サブカルチャー妖精学発売記念』と銘打った訳ですが、まぁ、いつものように笑いあり涙ありの二時間と相成りました。

画像の通りの、今回は着物会ということで、陽子ちゃんと、オーナーさんは和装での登場。
他にもTimeBuleさんで催されているハープの会の皆さんがアンサンブルで登場と華やかな幕開けとなりました。


僕も和装で……とのお話もあったのですが、ちょっとサイズがなくて、羽織だけを……
陽子ちゃんと並ぶと、温泉宿の若女将と番頭さん?ですね。

アイルランドの立春インボルグに併せて白鳥が登場する『リルの子供たち』などを。
お客さまからは、思わず涙ぐんでしまったとの声が上がるほどの哀しいお話。
さすがはアイルランド最大悲話と言ったところです。

そして二月。
朔日参りではありませんが、Kishyunのお二人(楽琵琶・中村かほるさん、笙・石川高さん)とで、池袋は自由学園・明日館でお話会を開催してきました。

フランクロイド氏設計の講堂は、とても重厚で、なにより随所に拘りが感じられて素敵でした。音も響きますし、なにより雰囲気がね、最高ですよね。
時折、こういったホールで語る事がありますが、いつもとは違った経験ができますね。

今回は、アイルランドの民話「白い鱒」と伊勢物語から『芥川』と『惟喬親王』についてを。

そして四日は船橋のOnce upon a timeさんでの妖精たちの囁き茶話です。
こちらはもう恒例となった人気企画です。
今回は、昼の部がフィーカということで、Onceさん流アフタヌーンティースタイル!

もう可愛いし、美味しそうだし!
内装もですが、本当にOnceさんの空間は美味しさと驚きに満ちてますね。

オーナーのホビットさんとオフショットをパチリ📷

そんなこんなでパタパタしていた一月から二月ですが、次は群馬県は前橋市出のお話会。
古楽ハープの渋川さんとの再演です! ぜひこの機会に〜。
お申し込みはこちらから!

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お話と僕と妖精と

振り返れば、随分長く彼らの事を追いかけてきたなぁと思います。
いや、正確には彼らと共に過ごしてきた、でしょうか。

何がきっかけだったが覚えていなせんが、両親が買ってくれたお話のテープがきっかけの一つだったことは間違いないんですが。

そもそも、不思議な存在が出てくるお話が好きでした。
でも、いわゆるドラゴンとか英雄とかそういうのではなくて、お話には当然のように出てくる不思議な存在たち。大抵はお話の主人公の冒険を手助けしてくれたり、中には邪魔したりとかそういう彼らがたまらなく好きでした。

しばらくすると、いわゆる絵本で読める定番のものでは飽きてきて、色々と調べていく内に、その土地その土地で語られているの民話に行き着き、もっとたくさんの彼らと出会って言った訳です。

まぁ、三つ子の魂百までもって奴ですね。

あと、僕の郷里である四国って言うのも大きい理由だったかも知れません。

四国は遠野物語の東北ほどメジャーではありませんが、長十郎狸や犬神など、たくさんの奇々怪々なものたちのお話や、弘法大師の伝説や、それこそ平家の落人伝説に、崇徳上皇の奇譚など、多種多様なお話が残され、今でもそういう気配を感じられる所です。

お話を語れば語るほど、ああ、当たり前だけどお話はそれだけで存在するのでは無くて、やはりその土地、そこに住む人たち、そして歴史が絡んでくるんだなって思い至ります。

それを色んな角度で、歴史であったり、心理であったり、民俗なんかで研究したりする人がいて、僕も時々そういう資料を読んだりしています。

それでも、まだ遠いなーと思うことも。

だから、アイルランドに足繁く通うんですけどね。
学者でも、アイルランド人でもない僕が、彼の国のお話を語るには、せめて体中にアイルランドの風を受けてきたい、胸いっぱいに吸い込んで、細胞をひとつひつ晒していたい。
そう思うのです。

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ちょこっと妖精学 竪琴

妖精たちの楽器、彼らが好む音と言えば、様々あります。
例えば素晴らしい笛吹きは、その腕を見込まれて妖精郷に連れ去られましたし、フィドル(バイオリン)弾きも、同じように妖精から演奏を依頼されました。
とは言え、一般的にはやはり竪琴をイメージされる事が多いようです。

とりわけそれは、人魚の絵画に多く見られます。
確かに、人魚や水精が竪琴を弾くという構図はとてもロマンチックですね。

確かに、ドイツの水精ネックは、湖面に座り、黄金の竪琴を奏でると言います。
彼の演奏は素晴らしく、周りの自然に影響を与えるほどだとされています。
もし彼から、竪琴の手解きを受けたければ、黒羊を一頭差し出せば良いとか。

また竪琴には、色んな意味が含まれているそうで、弦を張るという構造は、天地を繋ぐ象徴だとも言われているそう。
ある説にでは、初期の西ヨーロッパで作られたハープのおおよそがヤナギで作られていたといいます。ヤナギは女神や、月の周期、豊穣、魔法に関連づけられた木で、そこから生み出された楽器は同時に魔法的な音を奏でるというのです。

そして人魚など、水に関係する妖精の多くが音楽を奏でたり、歌を歌うのは、河の女神であるサラスバティ(弁才天)が、そのせせらぎの音から、音楽や淀みなく流れる、つまり弁舌も淀みがないと発展した言ったのと同じだと言います。

他にも、バラッドなどの民衆物語では、人でなしの姉に殺された妹の髪を弦にした竪琴が登場します。その竪琴は、姉がどんなに酷く、そしてどうんな方法で自分を殺したかをひとりでに演奏し、歌ったそう。なんとも恐ろしいですね。

似た話で、アイルランド版「王さまの耳はロバの耳」では散髪屋は、穴を掘って叫ぶのではなく、ヤナギの木(ここでも!)に「王さまの耳はロバの耳なんだよ」と囁きかけました。
そして王さま付の竪琴弾きが、そのヤナギで竪琴を作ったところ、竪琴はひとりでに「王さまの耳はロバの耳」と歌い出したそうです。

このように、竪琴と妖精、そして魔法との関連性は挙げだしたら切りがありませんし、彼らの関係を明らかにする物語は沢山あります。

ですが、その中でも大きな要素として、アイルランドとの関係性があるような気がします。
世界広しといえども、楽器を国章にしているのはアイルランドだけ。
もちろんそれは竪琴です。そしてアイルランドと言えば妖精の国。
この2つの要素は、画家や作家のインスピレーションを強く刺激するのでしょうね。

蛇足
アイルランドはアイルランド語でエリン(エーレ)。
そしてハープはクローシャッハ、クリッツ。
どちらも女性名詞で、エリンは女神の名前で、アイルランドを擬人化して描く場合、女神であったり、老婆だとされています。

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1月、2月のお知らせです。

さて、成人式も済み、もーいい加減お屠蘇気分も抜けて?、通常運転ですが、僕も色々と動きはじめています。
YouTubeラジオでもお話していましたが、1月はちょっと原稿に取りかかっていたので、語りのお仕事は大阪での高野陽子さんとの共演が2024年初舞台。
かれこれ10年近く彼女とは共演していますね。もう安定のコンビです。

そして次は、久しぶりの楽琵琶の中村かほるさんと笙の石川高さんとのトリオ。

何のかんのとパタパタしてますね。
この他にもお話会、音楽会などの出演予定は、出演ページをご覧下さい。

さーて、今年も語って語って、妖精郷の扉を開けていきますよ〜

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ちょこっと妖精学 妖精の花嫁

#ちょこっと妖精学

古今東西、妖精などといった人とは違う、時に人以上の美しさや能力を持った存在を伴侶にしたいという願いがあるようです。
よく見られるのは人魚や天女、そして水や木の精霊といった存在。
彼女(時に彼)らは、情に厚く、また豊穣をもたらしてくれる存在ですが、その結婚には様々な誓約が伴います。
多くは見るな、叩くななどで、その類話は多く伝わっています。

あるお話では、水のそこに住む妖精は大変美しかったのですが、ある魔法がかけられていて、伴侶となった男がそれを破ると、湖の底に戻らねばならなかったのです。
それは、妖精の名前を呼んではいけないという大変簡単で、破ってしまいがちなことだったのです。
案の定、はつい妖精の名前を呼んでしまい、彼女は湖に帰ることに。

男の元にはただ彼女との素晴らしい結婚生活の思い出と、それを失った寂しさだけが残ったのでした。

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新年あけましておめでとうございます

2024年、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします……って、元旦にまさか巨大地震がおこるなんて誰も思ってもおらず。僕は、飲み続けていて、うかうかと酔い午睡を楽しんでいたときでした。
あの緊急地震速報の音はどうにも好きになれませんね。
もちろん、そういうのを狙っての設定なんでしょうけど。
幸いにも親族、友人知己には被害はなかったのですが、季節的にも厳しいときなので、彼我に遭われた方たちの一日も早い日常復帰と、大好きな北陸が復旧することを祈ります。

さて、今年は色々と今までと違った形で、皆さまの前に登場する機会があるようなないような……まだちょっと内緒ですが。
お話会やイベント等の情報はここやTwitter(現X)等で告知していきます。

今年も彼らと踊る日々を過ごす予定なので、ぜひ一緒に妖精郷を旅してください。

妖精譚の語り部 / フェアリードクター・高畑吉男

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